34.人待ち顔で

黄昏に紛れても
見覚えのある影は
人待ち顔のあなた
あの頃のままね
映画でも見に行くの?
何処でお酒を飲むの?
きっと、きれいな人が
駆けてくるのでしょう
人待ち顔は 誰の姿も
少し淋しく見せるけれど
すぐに あなたも笑顔にもどって
街角に消えて行く
寄添う肩を抱いた ひとつの影で

行き交う人の波が
織りなす土曜の夜
いつか、あなたとわたし
逸れていたのね
紅茶が冷めるまでに
彼もやって来るでしょう
それまで ガラス越しの
あなたと同じに
人待ち顔は誰の姿も
少し淋しく見せるけれど
すぐに わたしも笑顔にもどって
街角に消えて行く
人街ち顔の今は 淋しそうでも......